清水玲子先生が好きで作った非公式ブログです。 現在は『秘密-THE TOP SECRET-』を中心に。

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# 【秘密二次創作】優しい秘密.4

「秘密」の二次創作です。原作とは一切関係ありません。

優しい秘密、最終話です。
ここまでおつきあい下さって、ありがとうございます。

※雪子の父はオリジナルキャラです。
 



優しい秘密.4


翌朝、俺は重い気持ちで雪子さんに電話をした。

『青木くん!?ちょっと、どういうことなの!?』

堂々と怒りをあらわにしてくれて、逆にホッとする。もっと責めてくれ、とさえ思う。

「雪子さん、今さら何を言っても許して貰えないと思っています。でも俺は・・・」

本当に命をかけて愛する人を・・手に入れたんです。とはさすがに言い出せなくて。一瞬口ごもると、雪子さんの方から衝撃の事実を突き付けられた。

『父がね、あなたに会いに行ってるのよ!?』

「・・・え?」

『父が東京に向かったの!病院抜け出して』

「ええっ!?」




どうせ昨日、今日と2日間休みをもらっていた。だから俺は、指定された時間に東京駅へ迎えに行った。

「あ、お父さん・・・」

赤レンガの建物から現れた、一瞬ガラの悪い人・・にも見える雪子さんのお父さんが現れた。白い肌着にそのまま白いジャケットを羽おり、下半身も白いパンツで足下はなんと・・・下駄。
顔は・・・一回見たら忘れられない、ブルドッグにような顔をしている。

「お体の具合は・・・」
と、突っ込むことも出来たが、なんだか・・・とてもじゃないけど言い出せない。
お父さんは俺の前までカランコロンと下駄の音をならしながらゆっくり歩いて来ると・・・

「おい、お前さんは自分のやったこと解っとるんやろなぁ!?」

挨拶もせず、いきなりそう言った。

この年代の男性にしては・・・俺と身長が大差ない。大きい方だ。
しかも・・・体格はどっちかと言うと・・・ずんぐりしていて俺よりたくましいくらいだ。さすが雪子さんのお父さんだ。顔は似てないけど。

「・・・は、はい・・・お父さん・・三好さんのお見舞いにお伺いしようと思ってましたが、き、京都で引き返しました」

もちろん知っているだろう事実を、改めて説明してしまった。

「もちろん恋愛やから、10・ゼロでどっちかが悪い、いうことぁ無い。でもな、雪子との婚約解消に関しては、9・1であんたが悪い」
お父さんは正論をまくしたてた上で、こう付け足した。

「それなのに!あんたは京都まで来といて引き返した!」
耳が痛い。それはさっき、自分で言いましたから・・・

「そんなんやったら最初から断れや!なんぼなんでも酷すぎやろ」
ああ・・・まさにその通りだ。どうやって・・どうやってこのお父さんに誠意ある謝罪が出来るだろうか。

「呼び止めたんは、あの警視正か?」

「!」
ビックリした・・・なんてものじゃない。お父さんはなぜ、薪さんのことを?

「ま、薪さんは関係ありません・・自分の意志で引き返しました。けど・・三好さんは、薪さんのことを・・」

「鈴木の葬式ん時に、一瞬だけ見たわ。あん時はヤツもボロボロやったけどな」
お父さんはちょっとだけ遠くを見、過去を思い出すように話した。

「でもワシかて長いこと生きて来たわけや。ちょっと見たらタダモノやないことくらい解る」
お父さんは薪さんを知っていたのだ。しかも、目をつけていた・・・?

「あの警視正、ワシの仮病を見抜いたんやな~・・・と思う」

あああああ!?!?やっぱり、やっぱり、仮病でしたか。
ああ、じゃあ俺、なんで責められるんだろ・・・いや、確かに悪いことしたけど・・・
俺が混乱しているのにも関わらず、お父さんはどんどん話してくる。

「ワシがあんたを呼び出したろ~思うてな、芝居出来る病院に頼んだんや。病室も借りてな。そしたら昨日の昼間、警備会社が病院の監視カメラを交換しに来よった」

お父さんは堂々と仮病を告白する。

「ワシの記憶によると、監視カメラの点検は早朝とか深夜にやりよる。でもな、ど平日の昼間に交換しよったから・・・何かあるな~思ったんやけど」

そしてちょっとだけ、眉をしかめて続けた。

「よう考えてみたら解ったわ。監視カメラのデータを抜いて、映ってるワシを確かめよったんや。そんでワシを一目見るなり、仮病を見抜きおったわ」

一目・・・見るなり?
俺の混乱を見抜いてか、お父さんは説明してくれた。

「ワシ、太っとるやろ」

え?あ、ああ、いや、そんなには・・・

「まぁデブでは無いが、ぽっちゃり系やねん。ちょっとメタボ気味っちゅーかな」
そう言って、少々前に出た下腹部をポンと叩いて見せた。

「最初は糖尿にしようかと思ったくらいや。でもな、糖尿みたいな太り方でも無いしな。ギリギリ、ガンで行けるかと思ったんやけどな。めっちゃタバコ吸うしな。肺ガンで行ってみたんや」

行ってみた、って・・・

「ガンに太ってるやつはおらんやろ。出来るヤツやったら、一目見てワシが仮病使っとることくらい気付くわ」

まさか・・薪さんが監視カメラに映るお父さんの映像を入手して、一目見て肺ガンでは無いと見抜いた・・・ってシナリオなのか?

「あんたのヒロイン、なかなかのタマやな」

「・・・え?」

「あんたのヒロインや!褒めてやっとんのや。ワシの娘ほどやあらへんけどな。なかなかのタマや!」

なんと、なんと・・・!お父さんは知っている!
俺と、薪さんの関係を。俺の、俺だけのヒロインの存在を。いや、ヒロインじゃなくてヒーローだけど。でもとにかく、彼は知っているんだ!

なんということだ!

俺が口を開けたままポカンとしていると・・・
お父さんは黙ってきびすを返し、東京駅に戻っていった。

「あ、ち、ちょっと待って下さい!ちょっと・・食事でも・・・」
慌てて走りよって肩に手をかけると、

「アホか!しばくぞ」と振払われた。

「み、三好さん・・・」

お父さんは俺の胸ぐらを掴むと、額を俺の額にくっつきそうなほど近付けてこう言った。

「もう二度とワシの娘に手ぇ出すなや!今度こそしばいたるで!」

そして乱暴に投げ捨てるように離すと、再び東京駅へ戻って行った。

「・・・三好さん!」

俺は遠くなっていく背中に叫んだ。

「申し訳、ありませんでした!」

お父さんはカランコロンと音をたてながら、帰っていく。小さくなって行く。

「本当に、申し訳、ありませんでした!」

俺はもっと大きな声で叫んで、最敬礼の角度に頭を下げた。
昼間の東京駅。たくさんの人が横断歩道を渡るお父さんと俺を見ていたが、
そんなことは全く気にならなかった。

俺は一旦頭を上げ、もう聞こえないかも知れないけど、叫んだ。

「お父さん!ありがとうございました!」

力一杯に叫んで、もう一度深々と頭を下げた。




それにしても。
お父さんが知ってるってことは・・・もちろん・・・

その日の夕方、雪子さんの職場に行って財布や荷物を受け取りに行った。
雪子さんは新幹線に残した俺の荷物を、東京まで持ち帰ってくれてたから。

俺はお礼と・・・あと、なんとなく納得いかないが謝罪を告げて(仮病だったのになぜ謝らなくてはならない?)荷物を受け取る。

そうして、本当に聞きたいことを聞いた。

「あの、お父さん、って、その・・・薪さんのことを」

言いにくそうな俺にイライラしたように、雪子さんは言った。

「あなたと剛くんが付き合ってること?知ってるに決まってるじゃない」

やはり・・・俺と薪さんの関係はバレバレだった。

「知ってるから、最初から剛くんにも許可を取ったんでしょ!?私だってあの時は本気で、父の病気を信じてたんだから~」

そうだったのか・・・
いや・・いや、違う!

俺は勘、というか猛烈な確信を持ってしまった。
雪子さんは監察医だ。絶対、お父さんの仮病を見抜いたはずだ!

お父さんが仮病を使って、俺を呼び出そうとしていたことくらい・・気がついたはずだ。

つまり・・・

お父さんの仮病に気づきながら、その仮病に気づかなかったふりをして、俺を呼び出した。
お父さんに説教させたかったから?俺と薪さんに嫌がらせをしたかったから?

2人はグルなのか?それとも、お互い暗黙の了解で『だまされたふり』してた?

そんな俺の混乱にかまわず、雪子さんは続けた。

「あなたと剛くんの関係なんてね・・あなたの目がもう、バレバレなのよ。ず~っとヤラしい目で剛くんを見てるじゃない。モロなのよ」

そ、そんなに、バレバレでしたか・・・?

「剛くんもさ~、下手っくそなのよね!あなたに冷たくしてんのが」

それなら・・・雪子さん親子以外の人にも知られてる?
その予感は、不安を感じるものでは無かった。むしろ・・・

「てゆーか、皆知ってるわよ?でも誰も何も言わないし、変な噂もされてない」
雪子さんはトドメを刺すように、俺に教えてくれた。

「皆が優しい目で見守ってんのよ。いいわね、大事にされてて」

俺はたまらなくて、お父さんにした時のように雪子さんに頭を下げた。
そうしなかったら、涙で潤んだ瞳を見られてしまっただろう。




俺は帰る前、薪さんに逢うため第九の室長室へ寄った。

「なんだ、今日は休みなんだからわざわざ顔を出さなくてもよかったのに」

今朝まで一緒にいたのに、いかにも久しぶりに見た、と言わんばかりに薪さんが言う。

そんな演技しなくても・・・バレちゃってますよ!
と言いたかったが、そんな困らせるようなことは言わない。

薪さんを泣かせたら・・・岡部さんに、いや、第九の皆に、いや・・・
薪さんを知るすべての人に、シバかれちゃうんで。

「薪さんて、愛されてますよねぇ・・・」
俺はしみじみと、言わずにはいられない。

「なんだ?」薪さんは不思議そうな顔をする。

いや、愛されてるのは・・・俺もだ。
皆に、雪子さんに、お父さんに、少しくらいの嘘や意地悪をされたって・・それはまるで・・・

そんなに大事に思われていたんだ、というのが、ちょっと恥ずかしい。

「薪さん、今夜もいっぱい・・・舐めさせて下さいね」

耳元でささやくと、薪さんは耳まで真っ赤になった。

「ふざけるな!」
そう言って、真っ赤なままで室長室を出る。

そしてその愛らしい薪さんの姿を、岡部さんが、今井さんが、皆が。
見て見ぬふりをしている。

ちょっと恥ずかしいけど、俺は今・・・最高に幸せです!







ありがとうございました。

 

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(前はユーカリというHNでした。今はtwitter名に合わせてちえまるとしてますが、どちらで呼んでいただいても構いません)

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